なかの@投資大好き
10年以上の投資経験を持つ個人投資家。日本株、米国株、韓国株、ETF、投資信託などを経験。普段はサラリーマン。
この記事は、新興国株への投資を検討しているが「危険だ」という声を聞いて躊躇している個人投資家向けに書いている。
結論:新興国株には確かにリスクがあるが、それは「危険」ではなく「ボラティリティが高い」だけ。リスクを理解すれば、先進国株にはない成長機会を掴める。
新興国株が「危険」と言われる5つの理由
新興国株について調べると、必ずと言っていいほど「危険」「リスクが高い」という言葉が出てくる。だが、これらは具体的に何を指しているのか。
主なリスクは以下の5つに集約できる。
- 為替リスク:新興国通貨は先進国通貨に比べて変動が大きい
- 政治・地政学リスク:政権交代や政策変更が企業業績に直結しやすい
- 流動性リスク:取引量が少なく、売りたいときに売れないことがある
- 情報の非対称性:日本語での情報が少なく、企業の実態が掴みにくい
- 会計・ガバナンスリスク:会計基準が緩く、粉飾や不正が起きやすい
これらは確かに存在する。しかし、だからといって「投資すべきでない」という結論にはならない。重要なのは、リスクを理解し、それに見合うリターンがあるかを判断することだ。
先進国株と新興国株のリスク・リターン比較
新興国株のリスクを正しく評価するには、先進国株との比較が欠かせない。以下の表で主要な違いを整理した。
| 項目 | 先進国株 | 新興国株 |
|---|---|---|
| 年間ボラティリティ | 15〜20%程度 | 25〜35%程度 |
| GDP成長率 | 1〜3% | 5〜8% |
| 為替変動幅 | 小さい | 大きい(年間10〜30%も) |
| 情報の透明性 | 高い | 低い |
| 長期リターン期待値 | 年率5〜7% | 年率8〜12% |
この表から分かるのは、新興国株は確かにボラティリティが高いが、その分リターン期待値も高いということ。リスクとリターンはトレードオフの関係にある。
特に注目すべきはGDP成長率だ。インド、ベトナム、インドネシアといった国々は年率5%以上の成長を続けており、企業の売上・利益成長も先進国より速い。これが株価上昇の原動力になる。
「危険」ではなく「難易度が高い」が正確な表現
新興国株は「危険」というより「難易度が高い」と言うべきだ。なぜなら、リスクを理解して適切に対処すれば、十分にリターンを狙えるからだ。
たとえば為替リスク。確かに新興国通貨は変動が大きいが、長期的には経済成長に伴って通貨が強くなる傾向がある。インドルピーやベトナムドンは短期的には上下するが、10年単位で見れば経済成長に沿った動きをしている。
政治リスクも同様だ。インドネシアやタイでは政権交代が頻繁に起きるが、長期的な経済政策の方向性は変わっていない。むしろ、インフラ投資や外資誘致は継続されている。
情報の非対称性については、確かに日本語情報は少ない。しかし英語の決算資料や現地メディアを読めば、十分に判断材料は揃う。むしろ、情報が少ないからこそ、調べた投資家が優位に立てるとも言える。
新興国株で「待ち」または「様子見」すべき3つの局面
新興国株に投資する価値はあるが、いつでも買っていいわけではない。以下の3つの局面では「待ち」または「様子見」が賢明だ。
1. 米ドル金利が急上昇している時期
新興国株は米ドル金利の影響を強く受ける。米国が利上げを続けている局面では、資金が新興国から米国に流出しやすい。2022年がまさにその典型で、インド株もベトナム株も大きく調整した。
2. 現地通貨が急落している時期
為替が急激に下落している時期は、株価も連動して下がりやすい。トルコリラやアルゼンチンペソのように、通貨危機に陥っている国の株は避けるべきだ。
3. 政治的な大混乱が起きている時期
クーデターや大規模デモ、政権の急激な方針転換が起きている時期は、いくら長期投資でも手を出すべきではない。ミャンマーやスリランカがその例だ。
逆に言えば、これらの局面を避ければ、新興国株のリスクは大幅に下がる。
新興国株で「買い」と判断できる条件
では、どんな時に新興国株を買うべきか。以下の条件を満たしている場合、積極的に投資する価値がある。
- GDP成長率が5%以上を維持している
- 外貨準備高が十分にあり、通貨危機のリスクが低い
- 政治が安定しており、長期的な経済政策が明確
- 株価バリュエーションが割安(PER15倍以下など)
- 米ドル金利が安定または低下傾向にある
2024年現在、この条件を満たしているのはインド、ベトナム、インドネシアの3カ国だ。いずれも高い経済成長を続けており、政治も比較的安定している。特にインドは、モディ政権の長期化により政策の一貫性が保たれている。
ベトナムは外資誘致に積極的で、サムスンやアップルのサプライチェーンに組み込まれている。インドネシアは資源国でありながら、製造業の育成にも力を入れている。
新興国株投資で失敗しないための3つのルール
新興国株で失敗する投資家には共通点がある。それは「リスクを理解せずに飛びついた」ことだ。以下の3つのルールを守れば、失敗の確率は大幅に下がる。
ルール1:分散投資を徹底する
1つの国、1つの銘柄に集中投資しない。最低でも3カ国、5銘柄以上に分散すること。これにより、1つの国で問題が起きても全体への影響を抑えられる。
ルール2:為替ヘッジは原則不要
新興国株の場合、為替ヘッジはコストが高く、逆に足を引っ張ることが多い。長期投資なら、為替変動もリターンの一部と考えるべきだ。
ルール3:売却ルールを決めておく
新興国株はボラティリティが高いため、感情に流されやすい。事前に「株価が○%下がったら売る」「政治リスクが顕在化したら売る」といったルールを決めておくべきだ。
まとめ:新興国株は危険ではなく、理解すれば機会になる
新興国株は確かにリスクが高い。為替変動、政治リスク、情報の少なさ、流動性の低さ、すべて事実だ。
しかし、それは「危険」ではなく「ボラティリティが高い」というだけのこと。リスクを理解し、適切なタイミングで投資すれば、先進国株にはない成長機会を掴める。
特にインド、ベトナム、インドネシアといった国々は、今後10年で大きく成長する可能性がある。GDP成長率5%以上、若い人口、外資誘致の積極化、これらが揃っている国は少ない。
投資判断としては、米ドル金利が安定し、現地通貨が急落していない時期に、分散投資で入るのが正解だ。
新興国株は「危険」ではなく「難易度が高い」。それを理解した上で、リスクを取れる投資家には大きなチャンスがある。
最終更新日:2026年4月17日 | 著者:なかの@投資大好き
※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

コメント