ブラック企業電通で過労死した高橋まつりさんは氷山の一角

大手広告代理店の電通に勤めていた高橋まつりさんが過労で自ら命を絶ったニュースが世の中を駆け巡りました。

 

電通といえば、世界最大手の広告代理店。

 

テレビや雑誌などに限らず、ワールドカップやオリンピック、過去には2002年サッカー日韓ワールドカップの各国の合宿所の誘致まで、とにかくなんでも暗躍する、世界を牛耳る企業です。

 

大きな仕事がしたいと思い、電通を志望する学生もたくさんいます。

そんな中に高橋まつりさんもいました。

狭き門をくぐり抜けて、見事に採用されたのに・・・

過労死の目安とされる月80時間の残業時間を遥かに越える、月100時間の残業をしていたとか。

 

電通とはどのような会社なのでしょうか?

マスメディアとはどんな世界なのでしょうか?

 

 

マスコミの嫌われる真実

日本の広告代理店は電通、博報堂が有名ですが、規模でいうと、電通が圧倒的です。

 

それだけ、各メディアに対して、かなりの力を持っているのも事実。

現場では電通詣でが頻繁に行われているとも聞きます。

 

一方、メディアの世界ですが・・・

 

 

私は以前、マスコミの世界で働いていて、元電通マンの師匠がいて、よく話を聞いていたから、その辺の事情がよくわかります。

 

メディアの世界は明け方から仕事が始まって、夜中まで掛かるのは当たり前の世界です。

テレビ局なんて家に帰れない、机の下に布団を敷いて寝る、テレビ局に仮眠室があるのは常識。

家に帰れないから、家を引き払って、テレビ局の仮眠室に自分の荷物を運び込んだ社員もいるくらいです。

 

土日も時間も関係ない世界です。

 

そして、パワハラ、セクハラも当たり前の完全に一昔前の世界です。

 

私は一日9時間罵声を浴びせられたことがあります。しかも、半年間ほぼ毎日。

更に、個人的な話(あのラウンジのホステスを俺の家に連れて来いと夜中突然命令された)で、振り回されたこともあります。

 

それが普通なのがマスコミであり、その元凶が電通だと私は思いました。

 

ただ、パワハラやセクハラは論外として、テレビの世界では、例えば、番組の構成上、どうしても真夜中でなければ欲しい画が取れなければ、その時間にカメラやマイクを持って、そこに行かなければなりません。

 

そういう意味では”過酷なことが当たり前”という側面もあります。

残業が多い=ブラック

という図式が必ずしも当てはまらないのがマスコミの世界なのです。

 

電通の腐った実態

電通も一般企業です。

ということは、縁故採用もあると言ってました。

 

一番強力な縁故はスポンサーの社長の子供。

「電通の生涯賃金は5億円ほど。で、スポンサーの重役の子を電通で雇って、スポンサー料として10億円を貰ったら、それで黒字になる。」

これは、先ほどとは違う元電通マンの言葉です。

 

で、スポンサーの子供なので、パワハラもセクハラもキツい仕事も当然ありません。

 

で、本人は電通の肩書きを名乗れるという、そこだけはみんなが甘い汁を吸えるようになっています。

 

一方で、過労死するほど追い込まれた人がいるなんて、不公平過ぎではありませんか。

 

 

電通の過労死は減った!?

高橋まつりさんの過労死より以前にも電通に勤めている社員が過労により自ら命を絶ったことがあります。

そのことを、元電通マンに聞いたら、

 

「電通の過労自殺って以前よりだいぶ減ったで。」

という、衝撃的な発言が・・・

 

今回は明るみに出ましたが、闇に消された、同様の事件があったのは間違いありません・・・

 

電通の鬼十則

電通には4代目社長が掲げた鬼十則という、電通マンの心得みたいなのがあります。

 

1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。


2. 仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。


3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。


4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。


5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。


6. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。


7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。


8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。


9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。


10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。

 

これが今回の高橋まつりさんの過労死につながったという報道がありましたが、それは違うと私は思っています。

この10の標榜はビジネスをする上で、とても素晴らしいマインドセットになっています。

それは誰の目から見ても明らかでしょう。

では、今回の高橋まつりさんの過労死の件は何が問題だったのでしょうか?

 

過労死の原因は残業ではない

この話をする前に、一つ申し上げておきたいことがあります。

私は元うつ病患者で、今も薬を毎日飲み続けています。

過労自殺の一歩手前までいきました。

だからこそ、敢えてこのタイトルを言いたかったのです。

 

例えば、毎日楽しく朝から晩まで遊んで、それを1年繰り返したとしたら、疲れて死ぬことってありますか?

そんな人、聞いたことがありません。

 

つまり、残業の長さは過労死の間接的な原因であって、直接的な原因は精神的なストレス

と思っています。

 

おそらく、高橋さんは相当精神的な圧力、プレッシャー、罵声を浴びせられてきたのでしょう。

それに心が耐え切れなくなったと思います。

 

つまり、前近代的な古臭い世界が電通内にあったとしか思えません。

 

それを裏付けるように、高橋まつりさんのtwitterでは・・・

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上司には逆らうな、部下は上司の言うことを黙って聞け、そんな風潮があったのでしょう。

 

もっと風通しの良い職場であったら、もっと休みやすくて楽しい職場であったら、同じくらい残業をしても、同じ結果にはならなかったと思います。

 

ブランド一流、職場環境三流以下、これが電通の実態なのかもしれませんね。

 

 

逃げることは”反対方向に全力で走ること”

もし、今の仕事がしんどい、精神的に参っているとしたら、休む・辞めることを実行してください。

今すぐすべての仕事を放置して、逃げてください。

あなたの命より大事な仕事なんてありません。

 

子供が幼い、妻は専業主婦、稼ぎは自分の給料だけ、そんな状況であっても、休むか辞めるかを選んでください。

 

家庭と会社の責任感を一人で背負って働き続けるのは絶対に駄目です。

もし、働くことを選ぶなら、上司に全力で立ち向かってください。

 

罵声を浴びせられたら言い返してください。

嫌がらせをされたら、やり返してください。

それでクビになったら、証拠を全て取っておいて、後で労働基準監督署に提出しましょう。

左遷されたら御の字です。

そんなクソみたいな上司、こっちから願い下げですよ!!

生きることを放棄する手前まで追い詰められた私が思うことがこれらのことです。

仕事を無理やり休んだから生き残れたと今でも思っています。

 

でも・・・、仕事を辞めたり、休んでも、うつ病が治らず、退職後に命を絶った後輩もいます・・・

 

引き返せる時に引き返す、反対方向に全力で走る、これは本当に守っていただきたいです。。

 

あなたが本当に守るべき人は誰なのか、今一度よく考えていただきたいと思います。