なかの@投資大好き
10年以上の投資経験を持つ個人投資家。日本株、米国株、韓国株、ETF、投資信託などを経験。普段はサラリーマン。
この記事は、TSMCのCoWoS関連銘柄に投資したい個人投資家向けに書いている。
結論:最有力はKinsus Interconnect(3189.TW)。CoWoS用ABF基板で圧倒的シェアを持ち、2024年以降の受注急増が確実視されているためだ。
CoWoSとは何か──なぜ今、投資家が注目すべきなのか
CoWoS(Chip-on-Wafer-on-Substrate)は、TSMCが開発した先端パッケージング技術だ。複数のチップをシリコンインターポーザー上に配置し、高速・高帯域なデータ転送を実現する。NVIDIAのH100やH200といったAI向けGPUに採用され、生成AI需要の爆発的な拡大とともに、CoWoS生産能力がボトルネックになっている。
TSMCは2024年にCoWoS生産能力を月産3万枚以上に引き上げ、2025年にはさらに倍増させる計画だ。この急拡大に伴い、サプライチェーン全体に巨額の投資と受注が流れ込んでいる。パッケージング関連銘柄は、TSMCの成長を間接的に取り込める投資先として注目されている。
ただし、CoWoS関連銘柄といっても役割は様々だ。基板メーカー、インターポーザー製造、検査装置、材料メーカーなど、各レイヤーで本命が異なる。ここでは、実際に受注実績があり、成長性とリスクのバランスが取れた5銘柄を厳選した。
CoWoS関連銘柄 本命5選──投資判断と根拠
以下の表は、CoWoS関連銘柄5社の概要を比較したものだ。役割、強み、投資判断をまとめている。
| 企業名(ティッカー) | 主な役割 | CoWoS関連シェア | 投資判断 |
|---|---|---|---|
| Kinsus Interconnect(3189.TW) | ABF基板製造 | 約40% | 買い |
| Unimicron(3037.TW) | ABF基板製造 | 約30% | 買い |
| KYEC(2449.TW) | パッケージング後工程検査 | 約25% | 買い |
| Chipbond(6147.TW) | パッケージング組立 | 約15% | 様子見 |
| Chang Wah Technology(5345.TW) | エポキシ樹脂・封止材 | 約20% | 買い |
1. Kinsus Interconnect(3189.TW)──ABF基板で圧倒的シェア
Kinsusは、TSMCのCoWoS向けABF(Ajinomoto Build-up Film)基板で最大のサプライヤーだ。2024年第2四半期の売上は前年同期比で68%増加し、営業利益率は24%に達した。受注残は2025年第1四半期まで埋まっており、増産投資も継続中だ。
ABF基板はCoWoSパッケージの土台となる部材で、技術難易度が高く参入障壁も厚い。KinsusはTSMCとの長年の協業関係があり、新世代CoWoS-L(Large Interposer)向けの基板開発でも先行している。PERは約18倍と割安感があり、配当利回りも3.5%程度と安定している。
投資判断:買い
2. Unimicron(3037.TW)──ABF基板のもう一つの柱
Unimicronは、Kinsusと並ぶABF基板の主要サプライヤーだ。TSMCだけでなく、IntelやAMD向けの高層基板でも実績がある。2024年上半期の売上は前年同期比52%増、営業利益率は20%に改善した。
Kinsusよりもやや時価総額が大きく、流動性が高い。長期投資家には分散先としても適している。ただし、PERは約20倍とKinsusよりやや高い。配当利回りは約3%。
投資判断:買い
3. KYEC(2449.TW)──後工程検査で独占的地位
KYECは、CoWoSパッケージング後の検査工程で圧倒的なシェアを持つ。TSMCのCoWoS生産量が増えるほど、KYECの検査需要も比例して増える構造だ。2024年第2四半期の売上は前年同期比74%増、営業利益率は28%に達した。
検査工程は技術的な参入障壁が高く、TSMCとの信頼関係が重要。KYECはその両方を満たしている。PERは約16倍と割安で、配当利回りは約4%。キャッシュフローも安定している。
投資判断:買い
4. Chipbond(6147.TW)──組立工程での存在感
Chipbondは、パッケージング組立工程でTSMCと協業している。CoWoS関連の売上比率は全体の約15%程度で、他銘柄に比べるとやや低い。2024年上半期の売上は前年同期比38%増だが、営業利益率は12%とやや低め。
CoWoS以外の事業も多く、リスク分散はできているが、純粋なCoWoS関連銘柄としてはやや魅力が薄い。PERは約14倍と割安だが、成長性は他銘柄に劣る。
投資判断:様子見
5. Chang Wah Technology(5345.TW)──材料で支える縁の下の力持ち
Chang Wahは、CoWoSパッケージに使われるエポキシ樹脂や封止材を供給する材料メーカーだ。TSMCのCoWoS拡大に伴い、材料需要も急増している。2024年第2四半期の売上は前年同期比56%増、営業利益率は18%。
材料メーカーは装置メーカーや基板メーカーに比べて投資負担が軽く、キャッシュフロー効率が高い。PERは約17倍、配当利回りは約3.2%。地味だが、安定した成長が期待できる。
投資判断:買い
投資判断の根拠──なぜ今、買いなのか
CoWoS関連銘柄が「買い」と判断できる理由は明確だ。まず、TSMCのCoWoS生産能力拡大が2025年以降も続く見通しであること。NVIDIAの次世代GPU「B100」や、GoogleやAmazonのカスタムAIチップもCoWoSを採用する予定だ。需要側の急拡大が確実視されている。
次に、サプライチェーンの集中度が高いこと。ABF基板やインターポーザー製造は技術的に難しく、新規参入が困難だ。上記5社はTSMCとの協業実績があり、受注の継続性が高い。
さらに、台湾株市場全体の割安感も追い風だ。2024年後半、台湾株はNVIDIA株の調整や米中緊張の高まりで一時的に下落したが、ファンダメンタルズは堅調。PERが20倍を下回る銘柄が多く、エントリーしやすい水準にある。
ただし、投資タイミングは慎重に見極める必要がある。四半期決算の発表前後、特に受注見通しや設備投資計画の更新があるタイミングで買いを入れると、リスクを抑えやすい。
リスク──台湾株特有の注意点
CoWoS関連銘柄には、いくつかのリスクがある。まず、台湾の地政学リスクだ。中国との緊張が高まると、台湾株全体が売られる傾向がある。特に半導体関連は国家安全保障に直結するため、リスクプレミアムが大きい。
次に、為替リスク。台湾ドルは比較的安定しているが、円高が進むと円換算のリターンが減少する。特に2024年後半は日銀の政策転換で円高圧力が強まっており、注意が必要だ。
もう一つは、AI需要の持続性だ。生成AIブームが一巡し、設備投資が一時的に減速するリスクはゼロではない。ただし、TSMCの経営陣は2025年以降もAI向け需要が拡大すると見ており、現時点では過度に悲観する必要はない。
最後に、流動性リスク。Kinsus、Unimicron、KYECは台湾市場で一定の出来高があるが、Chang WahやChipbondは流動性がやや低い。大口での売買は価格に影響を与える可能性がある。
まとめ
CoWoS関連銘柄は、AI需要の拡大を背景に、2025年以降も高成長が期待できる投資先だ。中でもKinsus Interconnect、Unimicron、KYECの3社は、受注実績、シェア、財務健全性のすべてで優れており、買い推奨できる。Chang Wah Technologyも安定性が高く、分散先として有効だ。Chipbondは様子見としたが、CoWoS以外の事業も含めた総合判断では検討の余地がある。
投資判断のポイントは、TSMCのCoWoS拡大計画と各社の受注状況を継続的にウォッチすることだ。四半期決算や設備投資計画の発表をチェックし、受注見通しが上振れるタイミングで買いを入れると、リスクを抑えつつリターンを狙える。地政学リスクや為替リスクは常に意識しつつ、長期での成長に期待したい。
TSMCの売上予想や今後の成長戦略についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてほしい。TSMC 2026年 売上予想 AI需要の影響では、AI需要がTSMCの業績にどう影響するかを深掘りしている。
最終更新日:2026年4月17日 | 著者:なかの@投資大好き
※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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