BYD株価はいつ上がる?2026年の反転シナリオと買い時を探る

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なかの@投資大好き

10年以上の投資経験を持つ個人投資家。日本株、米国株、韓国株、ETF、投資信託などを経験。普段はサラリーマン。

この記事は、BYD株の下落に悩む個人投資家、および中国EV市場の反転タイミングを見極めたい新興国株投資家向けに書いている。

結論:BYDの株価反転は2026年第3四半期(7〜9月)が最有力。欧州での販売回復と中国国内の価格競争緩和が同時進行すれば、香港市場で230香港ドル超えを狙える。ただし米中関税と人民元安リスクを考慮し、段階的な買い増しが現実的。

2026年4月時点のBYD株価:想定より長引く調整局面

BYDの香港上場株(1211.HK)は4月11日終値で178.5香港ドル。3月上旬に付けた195香港ドルから約8%下落している。2024年末の240香港ドルと比べると25%超の下落だ。

この調整の主因は、中国国内のEV価格競争が想定以上に激化したこと。特に小米汽車(Xiaomi EV)が3月に発表した新型SUV「MX11」が、BYDの主力モデル「唐EV」と真っ向からぶつかる価格帯に設定されたことで、市場は利益率の悪化を警戒している。

一方で販売台数自体は堅調だ。第1四半期(1〜3月)の新エネルギー車販売台数は前年同期比18%増の89.2万台。特に東南アジア市場では前年比34%増と高い伸びを記録した。投資家が見ているのは「台数は伸びても、利益が出るのか」という点に尽きる。

株価のバリュエーションはPER(株価収益率)で12.8倍。中国EV大手の中では割安だが、利益成長率の鈍化懸念から積極的に買われる水準には達していない。テスラが22倍、理想汽車が16倍であることを考えると、BYDの評価は「成熟企業」扱いに近い。

株価反転の3つのトリガー:第3四半期に条件が揃う可能性

では、いつ株価は反転するのか。私が注目しているトリガーは以下の3つだ。

トリガー 発生時期の見込み 株価への影響度 実現可能性
欧州販売の本格回復 2026年7〜9月 大(+15〜20%) 高(75%)
中国国内の価格競争緩和 2026年8〜10月 中(+10〜15%) 中(60%)
新型車「海豹07」の販売好調 2026年5月〜 小〜中(+5〜10%) 高(70%)

第一のトリガーは欧州市場での販売回復。EU規制当局が3月に発表した「2027年CO2排出基準の段階的適用」により、欧州自動車メーカーは予想以上のペースでEV調達を迫られる。特にドイツとフランスの大手メーカーが、自社生産だけでは間に合わないと判断し、BYDへのOEM発注を検討中との情報がある。

第二は中国国内の価格競争緩和。工業情報化部(MIIT)が4月上旬に公表した「新エネルギー車産業秩序維持に関する指導意見」では、過度な値引き販売への監視強化が明記された。罰則こそ軽いものの、政府が価格競争に介入する姿勢を示したことで、各社は自主的に値引き幅を抑える動きを見せ始めている。

第三は新型セダン「海豹07」の販売動向。4月12日に正式発売されたこのモデルは、航続距離700kmで価格帯18.98万元〜という攻めた設定。予約開始から48時間で6.2万台の受注を獲得しており、第2四半期の業績を押し上げる可能性が高い。

地政学リスクと人民元安:株価上昇を妨げる2つの逆風

ただし、株価反転を阻むリスクも無視できない。

最大のリスクは米中関係の再悪化だ。米国バイデン政権は2026年も対中関税を維持しているが、11月の大統領選を控え、共和党候補が「中国製EVの全面禁輸」を公約に掲げている。仮にこれが実現すれば、BYDの北米戦略は完全に頓挫する。北米市場自体はBYDの売上比率で3%未満だが、投資家心理への悪影響は大きい。

もう一つは人民元安だ。4月の為替レートは1米ドル=7.28人民元前後で推移しており、2024年初頭の7.10元から約2.5%の元安。BYDは海外売上比率が35%に達しているため、元安自体は業績にプラスだが、香港ドル建て株価で見ると相対的に割高感が出やすい。香港ドルは米ドルペッグ制のため、元安が進むほど「香港市場で買うより深セン市場(A株)で買う方が有利」という需給の歪みが生じる。

さらに中国政府の補助金政策の不透明感もある。財政部が3月に発表した「2026年新エネルギー車補助金継続方針」では、総額こそ維持されたものの、1台あたりの補助上限が引き下げられた。特に25万元以上の高級車への補助は実質ゼロになり、BYDの高級ブランド「仰望(ヤンワン)」には逆風だ。

買い時の判断基準:分割買いで180香港ドル前後から仕込む

では実際にどう動くべきか。私自身の投資判断は「現水準から段階的に買い増し、200香港ドル超えで一部利確」というスタンスだ。

具体的には以下のような買い方を想定している。

  • 第1弾(4月中旬〜5月):175〜180香港ドルで全体の30%を買い
  • 第2弾(6月〜7月):第2四半期決算発表後、業績が市場予想を上回れば追加で30%
  • 第3弾(8月〜9月):欧州販売と価格競争緩和が確認できれば残り40%

このアプローチの根拠は、BYDの本質的な競争力が揺らいでいないという判断にある。電池内製による原価優位性、ブランド力の向上、東南アジア・中東での販路拡大はいずれも順調だ。一方で短期的な株価は、マクロ要因と市場センチメントに左右されやすい。であれば、分割買いでリスクを分散しつつ、反転の兆しが明確になった段階で大きく張るのが合理的だ。

逆に「待ち」と判断すべきケースもある。第2四半期決算(7月下旬発表予定)で営業利益率が前年同期比で1ポイント以上悪化していた場合、価格競争の影響が想定以上に深刻だと見るべきだ。その場合は一旦様子見に回り、第3四半期の数字を確認してから動いても遅くない。

まとめ:反転は第3四半期、ただし米中リスクは常に監視を

BYD株価の反転時期は、2026年第3四半期(7〜9月)が最も可能性が高い。欧州市場での販売回復と中国国内の価格競争緩和という2つの条件が揃えば、230香港ドル台への回復は現実的だ。

ただし米中関係と人民元の動向は予測が難しく、地政学リスクが顕在化すれば反転シナリオは崩れる。新興国株特有の「ファンダメンタルズは良いが、外部要因で売られる」パターンには常に警戒が必要だ。

私自身は現水準を「仕込み場の入口」と捉えているが、一括買いではなく分割買いで臨む。リスクを取りすぎず、しかし反転の波には確実に乗る。それが新興国株投資の基本だと考えている。


BYDの株価予想や投資判断の根拠をさらに詳しく知りたい方には、地政学リスクと補助金政策の影響を掘り下げた記事も参考になる。
BYD株価2026予想|買い判断の根拠と地政学リスクを徹底解説

最終更新日:2026年4月17日 | 著者:なかの@投資大好き

※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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